2026.09.08
先生ブログ
【鉄道科】阪神電鉄 尼崎車庫見学会・車両メンテナンス社員との懇親会を実施しました
「今日は、みんなが普段お客様として乗っている電車の”裏側”に入ります」——ヘルメットを配りながらそう伝えたとき、高校生たちの表情がスッと引き締まったのを、今でも覚えています。
実を言うと、その日いちばんそわそわしていたのは、引率していた私自身だったかもしれません。私は本校で教える前、実際乗務員として現場に立っていました。何年も乗務してきた人間でも、車両基地の”中”に足を踏み入れる機会は、そう多くありません。今回、阪神電鉄さんのご協力で実現した「尼崎車庫SPイベント」は、そんな特別な場所へ、高校生のみなさんと一緒に入れる一日でした。

当日は、昼の集合から解散まで、盛りだくさんの内容でした。ざっと時刻表にするとこんな一日です。
| 時刻 | 内容 |
|---|---|
| 12:00 | 学校にて当校卒業生によるパネルトーク実施 |
| 13:30 | 阪神電鉄尼崎車庫へ移動 |
| 14:30 | 尼崎車庫見学 |
| 15:20 | 阪神車両メンテナンス社員による懇親会 | 16:00 | 終了・解散 |
ヘルメットを装着し、いよいよ車庫の中へ。目の前には、阪神電車の青い車両がずらり。しかも、連結が外れていたり、屋根の点検スペースが見えていたり――普段はホームから見上げるだけの車両を、こんな距離で、こんな姿で見られる機会は本当にありません。

◉ 元鉄道員の目線から
正直に言うと、現役時代の私も、この裏側を初めて見たときは鳥肌が立ちました。毎日安全に運行される電車の”当たり前”は、こうした車両基地で働く人たちが支えている。その事実を、言葉ではなく”空気”として感じられるのが、この場所の一番の価値だと思います。
本校のイベントが大切にしているのは、「見学」で終わらせないことです。午後は、阪神電鉄の現役社員のみなさんとの懇親会。学生たちは事前に用意した質問だけでなく、話が進むにつれて素朴な疑問もどんどんぶつけていました。青い作業服の社員さんたちが、その一つひとつに丁寧に答えてくれる時間――この対等な会話こそが、この日の一番の宝物だったかもしれません。

◉ この時間、実は
「就職してから最初に何を任されましたか」「一番大変だったことは何ですか」――高校生から自然に出てきた質問に、社員のみなさんが自身の経験で答えてくださる。パンフレットには決して載らない”現場の声”に触れられるのは、企業コラボの懇親会ならではの特別な時間です。
教室での座学は、もちろん大切です。ですが、鉄道の仕事は最終的に「現場」で行われます。車両基地の空気、プロの手つき、安全への緊張感、そして現場で働く人の言葉――こうした”現場の肌感覚”を在学中に知っているかどうかは、就職後の伸び方に確かな差となって表れます。
だからこそ本校は、阪神電鉄さんのような実在の企業と連携し、学生が本物に触れられる機会を惜しみません。それは、卒業後に即戦力として活躍してもらうための、私たちなりの投資です。お子さまが選ぶ学校の”中身”を測るとき、こうした体験の質を、ぜひ一つの物差しにしていただければと思います。
単なる「学校説明会」では、この熱は生まれません。鉄道業界のリアルに触れられたからこそ、参加した高校生たちは、それぞれの”これから”を少し具体的に描けたのだと思います。引率した私も、そんな姿を見られて本当に嬉しい一日でした。